自宅の前の道路を東に突き当たったところを南北に走る道路ですが、そのさらに
東側は崖に近い斜面になっています。この崖の、自宅前の道路の突き当って少し
ばかり、ほんの数メートル北側に、かなり大きな桑の木が生えています。崖下の
足元よりかなり下から生えていて、しかも道路から見上げるぐらいの高さがある
のですから、10メートルとかそのくらいはありそうです。当然、そんな大きな
木ですから、昨日今日生えてきたわけではない。
ところが。
私、現在の自宅に引っ越してきて15年くらいになるわけですが、その木が桑だ
とは、ほんの数日前まで気がつかなかったのですよ。
なぜ最近になって気がついたかというと、実がなっていたから。
ほんとにもうあと数十センチ、横方向に枝が伸びてくれれば、道路から桑の実に
手が届く、というくらいに茂っています。あぁ、おいしそうだな。
逆に、なぜ今まで気がつかなかったんだろう、というのが不思議。そこで、その
道を通るたびに観察していたのですが、おそらくこうなんだろう、というものが
いくつか。
まず、あまりないとは思いますが、実がなったのは今年が初めて、という説。
葉っぱだけなら、遠目に見て似ている形の葉っぱの木なんて、いくらでも種類が
あるわけだし。でも弱いなぁ。
それよりもありそうなのが、素で気がつかなかった、という説。
朝の通勤時間帯は、日が照っていると、この季節、ちょうど朝日の逆光になって、
実がなっているのがわからないのですよ。そして、夜の帰宅時間帯だと、暗くて
わからない。昼間に通りかかることはありますが、頻度は圧倒的に少ない。また、
宿直明けで帰宅するときは真昼間ですが、眠いわけなので、当然、細かいところ
に注意を払えるわけもない。となると、宿直で出社するときだけしか気づきよう
がないわけです。
さて、自宅から坂を下り、通勤には川沿いを使うことも多い。
自宅から最初の橋を渡ると、川沿いからは外れた街道になってしまうのですが、
そこで橋を渡らず、川沿いのこちら側を歩いて次の橋を渡る、というのが通常の
通勤経路。
ところがある日のこと。
散歩で、さらに1本先の橋まで行ったら、ちょうど橋の上から手が届くところに
実のなっている桑の木が川に生えている。意地汚い私ですから、当然、おいしく
いただいてしまいましたよ。
ここでふと思ったのが、普段の通勤経路で通っているところには、川の中にも実
のついているような桑の木が全く生えてないな、ということ。もっと小さな桑の
木は、雑草並みに生えているのですがね。
そこで日を改めて、川沿いの、いつもは通らないコースを散歩してみました。
ルートとしては、自宅の最初の橋のところで、駅に向かうのとは反対の方向に、
川沿いのこちら側を歩く。そして、そちら側の次の橋で川を渡り、そのまま通勤
でよく使う橋まで行って、戻りはいつもの通勤ルートで戻る。
いやぁ、自宅近くとはいえほとんど通ったことのないルートなんで新鮮でした。
川沿いの土手道の植え込みには、枇杷なんかが生えている。そんなもん、市役所
が植えるわけがないので、どっかから種が飛んできたのでしょう。高さはそんな
に高くなく、2メートルもない。そして、しっかり実がついている。実がついて
いる一番低いところは1メートルにも満たない。そんな低いところに実がついて
いる枇杷なんて初めて見た。ご近所にも枇杷の大木はいくつもあるのですけどね。
時季的にまだ熟してはいなかったけど、きっと誰か、小学生あたりがそのうちに
もいで食べてしまいそうな気がする。
っと、桑の話に戻って。
土手道ですから、川の中の土壌面は、足元よりも3メートルほど下。
そんなところに生えている桑の木で、やっぱり見上げるほどの高さなのに全く実
がついていないようなものもあって、自宅近くの桑の木も、もしかしたら本当に
実がなったのは今年が初めてなのかも。
一方で、実のなっている桑の木もたくさん。
今回の散歩ルート、ただ単に歩くだけなら30分もかからない距離なんですが、
桑の実を食べながらの散歩だったので、結局、1時間近くかかりました。そして、
私が通勤に使っているルートだけ、実のなる桑の木がないということも判明。
その対岸側には、実のなっている桑の木もあったりなんかしたわけで。
ま、いいけど。
通勤時に桑の実を食っていたら遅刻してしまう。
ちなみに、法的にはどうなんだろう。
一応、この川、一級河川ではある。
管理は国?市?
公有財産の侵害?
でも、誰も取らなければ鳥のえさになってしまうもの。
お役所も黙認はしてくれることでしょう。
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