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▼ 税金 - としき@家主 2012/02/10 19:03 No.1982
  ┗Re: 税金 - としき@家主 2012/02/18 20:20 No.1984
タイトル税金
記事No1982
投稿日: 2012/02/10(Fri) 19:03
投稿者としき@家主
参照先http://www1.hinocatv.ne.jp/toshiki/
珍しくまじめなことを考えています。
あぁ、知恵熱が出そう。
#単にインフルエンザだったりして

消費税増税だの何だのとかしましいご時勢ですが、いくら歳出を削減してもゼロ
にはできません。天然資源の産出などで潤っている一部の国を覗けば、何らかの
形で収税を行わなければならないわけですが、ベストミックスというか、一定額
の税収を得るのに、どのような税目の組み合わせがよいのかということは考えて
もいいかもしれません。
ただ、税率を2倍にすれば税収も2倍になるかというとそんなこともありません。
グラフの横軸に税率、縦軸に税収をとったとき、描かれる曲線は釣鐘型か、また
は正規曲線型か、とにかくどこかにピークのあるグラフとなります。直感的にわ
かりますよね。ある程度以上に税率が上がれば、みんな脱税してしまうわけです。
こんなことにも、一応、何とかの法則とか何とか曲線とかって名前がついていた
はずです。
このとき、ピークとなる税率は国民性や経済情勢によって異なってくるはずです。
現在のギリシアでは脱税が多いとか言っていますが、もしかしたら税率はピーク
の右側に来ているのかもしれません。
かつて、アメリカ合衆国大統領のロナルド・レーガンは、当時の米国がピークの
右側にあると考えて現在を行い、実際に結果として税収増になったらしいのです
が、なんとなく減税による景気回復によって税収増になっただけのような気もし
てしかたありません。この辺、どこまでが減税効果による税収増なのか経済学者
による試算結果ってあるのかな。
 

タイトルRe: 税金
記事No1984
投稿日: 2012/02/18(Sat) 20:20
投稿者としき@家主
参照先http://www1.hinocatv.ne.jp/toshiki/
レス元1982
消費税増税とか言っていますが。

> 形で収税を行わなければならないわけですが、ベストミックスというか、一定額
> の税収を得るのに、どのような税目の組み合わせがよいのかということは考えて
> もいいかもしれません。

税目について、わかる範囲でまとめてみました。
財政関係は専門外なんで、誤解とかあればご指摘いただけると幸いです。


1.人頭税
いきなり、どマイナーなものをトップに持ってきました。
これは、年間一人当たりいくら払う、というもの。
私は、国のインフラに相当する部分に限れば、この税目で負担してもいいような
気もしています。国を維持していく必要経費に対する応益負担、といったところ。
具体的には、通貨発行、災害対策、外交、防衛、といったものがあるでしょうか。
あとは、裁判官や大臣や国会議員の給料もこの税目で徴収した中から支出すれば、
国民はみんなもっと、税金やその使い道を真剣に監視するようになるんじゃない
かなぁ。
で、ある意味で公平な税金である人頭税、実は逆にもっとも不公平かもしれない
税制でもあって。何かというと、担税能力を無視した税制である、というもの。
だって、ゼロ歳だろうが120歳だろうが、同じ金額を払わせられるわけで。
現実的には、例えば16歳から64歳までが負担する、というようになるのだろ
うけれど、そうすると一方で、これでは不公平だ、という意見も出てくることに
なって。だって、例えば応益負担ということで考えたとき、子供は税金を払って
いないから災害時に救助しない、というわけにも行かず。いや、そのような場合
は見捨ててもかまわないんだ、という意見をお持ちの方もいらっしゃるかもしれ
ませんが、私とは意見が一致しないということは確認させていただきます。
なので、最近では、サッチャーのころのイギリスぐらいしか導入事例はないはず。

2.資産課税
人頭税の反対に、払える人に払ってもらいましょう、というのが資産課税。
現在の日本で、固定資産税は運用中ですね。
あと、相続税も資産課税ですね。
その他に、富裕税というのもあります。
日本でも、戦後すぐの時代に導入されていました。
資産の再分配機能のためには、なかなかよい方法だと思います。
でも、富裕税には、なかなかテクニカルな問題が多いそうで。
筆頭は、どうやって資産価額を算定するか。
ほとんどの資産が美術品になっているコレクターなんか、大変そうです。
現金・預金といった金融資産だけを考えても、きっちり把握するためには、それ
こそ国民総背番号制度なんかを導入する必要があるはず。ただ、私の周囲に限っ
たことかもしれないけど、金持ちへの増税推進派の人の多くが国民総背番号制度
の反対派だったりする。すげ〜不思議。
その他のデメリットとしては、この税目の増税や徴税強化を行うと、資本の国外
逃避が発生する、といったところでしょうか。要は、金持ちがみんな国外に逃げ
てしまい、貧乏人だけの国になってしまう、ということ。

3.所得税
資産課税の問題の一つに、資産は多いけど現金・預金がほとんどない人の場合は
どうするか、というものがあります。相続とかでも発生しますよね、財産のほと
んどが不動産なので税金を払うために土地を切り売りしなければならない、とか。
収入に応じて税金を課する所得税なら、このような問題は発生しません。もちろ
ん、収入が現物支給なら物納せざるを得ないかもしれませんが。
また、累進課税を導入することにより、所得の再分配機能を強化することもでき
ます。
ただ、累進課税を強化すると勤労意欲を阻害する、という問題があります。つま
り、より多く稼いでも、その分が税金で取られてしまうくらいなら、一定以上に
働くのをやめる、ということです。
あるいは、稼ぎが多い人が国外脱出する、という問題点も資産課税と類似です。
実際、運動選手なんかにはこのパターンが多いようですね。
逆に、シンガポールだったかな、高所得者の税金を安くして、国外からの富裕層
の移住を促進しています。個人からの徴税額は少なくても、富裕層は消費に回す
金額も多くなるので、結果として国が潤うわけです。ただ、国家全体として繁栄
するのは理解できるのだけど、貧富の格差の解消って、一体どうやっているんだ
ろう。その方法が納得できるものであるのなら、私は高額所得者減税に賛成です。

3−1.法人所得税
かつて、一部の政党は、大企業に対して増税するような事を言っていました。
もしかして、今でも言っているのかな。
これは、担税能力を考えると当然でしょう。
でも、デメリットが多すぎる。
だって、大企業ほど簡単に国外に脱出できるのですから。
個人なら国外逃亡しようものなら逮捕・投獄・財産没収という手も使えますが、
企業の場合はそういうわけにも行かない。
それとも、上記の一部政党の方々は、
それに変わる何かうまい手を考えておられるのかな。
なので、企業増税は禁じ手。実際にやってしまったら、国内産業は空洞化。工場
は軒並み閉鎖で、町には失業者があふれることに。
こういうことがあるので、現在、各国は競って法人税の税率引き下げ競争に走っ
ています。

4.消費税
消費税の最大のデメリットは、消費を冷え込ませ、ひいては景気に悪影響がある、
というもの。また、逆進性の問題も大きいですね。
一方で、メリットもあるから各国で導入されているわけで。
ヨーロッパでは、2割3割当たり前!
所得税との合計では、個人にかかる実効税率は5割を超える国もあるのではない
かな。でも、北欧あたりで、税金を下げろという社会運動が活発という話は聞か
ないから、税金の使い方がそこそこうまくいっているということなんでしょう。
一方で、アメリカは州ごとに付加価値税の税率が違うはずだけど、合計の実効税
率は3割そこそこ。だけど、保守派はもっと税金を下げろといっている。
う〜ん、国民性の違いといってしまえばそれまでかもしれないけど。



ということで。
とりあえず目先の消費税増税に反対するのはともかく。
どうせいくらかは取られる税金なのだから、どのようにとられるかは考えておき
たいかな、と。