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▼ ウッドガスストーブ - としき@家主 2015/09/24 23:57 No.2508
  ┗Re: ウッドガスストーブ - としき@家主 2015/11/15 22:53 No.2527
   ┗Re^2: ウッドガスストーブ - としき@家主 2015/11/23 16:52 No.2529
    ┗Re^3: ウッドガスストーブ - としき@家主 2015/11/25 22:34 No.2530
     ┣余談:燃焼の本入手せず - としき@家主 2015/11/28 17:59 No.2531
     ┗Re^4: ウッドガスストーブ - としき@家主 2015/11/30 22:31 No.2532
      ┗Re^5: ウッドガスストーブ - としき@家主 2015/12/13 12:58 No.2539
       ┗Re^6: ウッドガスストーブ - としき@家主 2015/12/19 11:38 No.2541
        ┗Re^7: ウッドガスストーブ - としき@家主 2015/12/26 23:06 No.2543
         ┗Re^8: ウッドガスストーブ - としき@家主 2016/03/02 22:16 No.2563
タイトルウッドガスストーブ
記事No2508
投稿日: 2015/09/24(Thu) 23:57
投稿者としき@家主
参照先http://www1.hinocatv.ne.jp/toshiki/
ウッドガスストーブというものがあります。
ストーブといっても、この場合は原義に近いというか、日本語ではコンロのよう
なものです。詳細はググっていただくとして、簡単にいえば金属筒を2層構造に
して縦に置いたようなものを想起していただければ結構でしょう。内筒の内部で
木を燃やすと、煙と共に、不完全燃焼した木炭ガスが上昇。また、内筒と外筒の
間の空気も内筒側から熱せられて上昇するのですが、内筒と外筒の隙間の上部は
閉じられているというか、内筒側だけに穴が空いていて、そこから内筒側に噴出
した空気で内筒内部の木炭ガスが燃える、というような仕組みです。
構造が簡単なだけに、ネット上には、自作したという記事も多数上がっています。
上記の仕組みからわかるとおり、最上部の内筒と外筒の接合部では隙間がない方
がよくて、だからネット上の自作記事でも、隙間ができないように押し込んだ、
というようなものが多くあります。
が、ここで疑問が一つ。
どうせ内筒も外筒も金属で作るのなら、仮に隙間ができてしまったら、半田付け
なりロウ付けなりで隙間を塞いでしまえばいいと思うのですが、自作記事の上位
にきているものでそういった接合技術に言及しているものはほぼ皆無。分解可能
であることが必要な場合は当然のことながら接合できませんし、燃焼時の温度が
高くなるので半田では役に立たないとか、内筒や外筒の材質の関係で半田付けが
できない、というような記述があればわかるのですが、そもそも言及されている
ものがないというのが不思議。Google検索の上位20か30くらいを見ましたが、
溶接について触れているページが1つだけあっただけ。それも、自分には溶接の
技術がない、といった内容で、このページの方は、結局は押し込み方式で作って
いたし。
これはみんな、押し込み方式で実用上は全く問題のない程度の気密性は確保でき
ているということなのでしょうが、些かの不自然さを感じるぐらい、誰も接合に
関して言及していないのですよ。

ということで、もし万が一、気の迷いからウッドガスストーブを作るような事が
あれば、その際はぜひ、半田付けで隙間をふさいでみたいと思います。
 

タイトルRe: ウッドガスストーブ
記事No2527
投稿日: 2015/11/15(Sun) 22:53
投稿者としき@家主
参照先http://homepage3.nifty.com/~toshiki/
レス元2508
学校の後輩に、千葉で金属パイプを卸売りしている会社の社長がいます。
社長といっても、家業というか、家族経営に毛が生えたような小さな会社でして、
従業員も20人かそこらのはず。
でも、本人は溶接の技術も持っているし、技術はなかなかのもの。

そいつに久しぶりに会ったので、ウッドガスストーブの話をして見ました。
結果。

> であることが必要な場合は当然のことながら接合できませんし、燃焼時の温度が
> 高くなるので半田では役に立たないとか、内筒や外筒の材質の関係で半田付けが

案の定というか、半田では役に立たないほど高温になるはず、とのこと。
単純な焚き火とか、それこそ紙の燃焼であっても半田の融点を超える、というの
は私も知識としては持っていたんですがね。でも、現実に、焚き火とか、タバコ
の火とかで半田が解けたことは見たことないんですよ。おそらく、熱が集中せず
に放熱されてしまっていたからなんでしょうけど。
でも、図を描きながら、熱がどのように伝導していくかとか、ガスの燃焼なので
焚き火よりもかなり高温になる、というような事を2人で検討して、確かにこれ
は半田ではダメだ、ということが良く理解できました。

で、検討の結果。
まず出てきたのが、高温半田という案。
ただ、これ、もしかしたら何とかなるかもしれないけど、おそらくダメな可能性
のほうが高いだろう、とのこと。
すると、スキルや機材の関係で溶接ができないのであれば、ロウ付けという手段
が一番妥当だろう、ということに。
実は私、ロウ付けって名前だけは知っています、という程度なもので、すぐには
思いつきませんでした。中学生か高校生のころ、眼鏡を壊してしまったときに、
ロウ付けで修理したのですがね。半田付けよりも高温だ、という程度の知識しか
ありません。
今回、いろいろ聞いたところでは、1000℃以上の高温で接合するのだとか。
あぁ、そういえば、手元にあるトーチだかバーナーだかのパッケージに、これで
ロウ付け可能、みたいな事が書かれていたような気がする。

ただ、そこまでして、そういう工作をする気はトンと失せてしまい。
やっぱり、気の迷いで作るとしたら、はめ込み方式で作ることになりそうです。
それ以上に、実際には作らない可能性のほうが高いと思いますが。
 

タイトルRe^2: ウッドガスストーブ
記事No2529
投稿日: 2015/11/23(Mon) 16:52
投稿者としき@家主
参照先http://homepage3.nifty.com/~toshiki/
レス元2527
> やっぱり、気の迷いで作るとしたら、はめ込み方式で作ることになりそうです。

気が迷ってしまいました。というのは真実ではないな。
はめ込み方式で、本当にそんなに気密性が保たれるのかを確かめたくなりまして、
ちょっと実験してみました。
あ、いや、耳元で「やってみなくちゃわからない」という細野晴臣のささやき声
が聞こえた、とか、そういうことはありません。
あくまでも実験であり、実用的なストーブを作るのが目的ではありません。その
ため、安直ですが、加工の容易なアルミ缶を使ってみました。カッターナイフや
はさみで切れるということもありますが、手元にあったのがアルミ缶だけだった、
というのが真実。
また、実験の目的も、気密性が確保できるか否か、というところにあります。
ただ、アルミ缶だと逆に、確かそのままでは半田が乗らなかったはず。ロウ付け
が可能かどうかは知りません。

まず、予備実験として、アルミ缶で焚き火をしてみました。
これで溶けるようなら、さらに高温が予測されるガス燃焼に耐えられないと考え
たからです。
使った缶は、120mlのアルミのボトル缶。ドリンク剤なんかでよくあるやつね。
高さ120mm、本体直径45mm、口径22mm。
これの、底部に近いところの側面に、全周にわたって適当に、いくつかカッター
ナイフで穴あけ。底面そのものには、今回は穴あけせず。側面だけで十分な量の
穴があけられましたから。
今回、燃料としては、壊れて廃棄されるよしずに使われていた、細い竹。
これを缶の中に、ぎちぎちというほどではないけど、わりとぎっちりとつめる。
そして、着火!
おぉ、よく燃えとる。
多少は煙突効果もあるのでしょうか、焚き火としては非常にきれいに燃えている。
さすがに無煙燃焼というわけには行きませんでしたが、それでも、通常の地面で
の焚き火に比べれば明らかに煙は少ない。これなら、台所で換気扇を回しながら
というような条件であれば、屋内でも焚き火が可能なくらい。
そして今回の予備実験の眼目、燃焼温度について。竹は火力が強いとのことです
が、今回、アルミ缶自体が損傷することありませんでした。外見的には変色した
程度、燃焼後に冷えてから触ってみても、明らかにわかるほど強度が劣化したと
いう部分はありませんでした。

ということで、次回は本実験、の前の工作編かな。
 

タイトルRe^3: ウッドガスストーブ
記事No2530
投稿日: 2015/11/25(Wed) 22:34
投稿者としき@家主
参照先http://homepage3.nifty.com/~toshiki/
レス元2529
> ということで、次回は本実験、の前の工作編かな。

はい、工作編です。
内側は、前回と同じ、120mlのアルミのボトル缶。
外側は350mlのアルミ製ビール缶。高さ123mm、本体直径66mm。
もしかしたら、あとで気の迷いからスチール缶で改めて作ることもあるかもしれ
ないので、備忘録代わりに、ちょっと細かめに手順を記録。

1:内缶の開口
  ボトル本体の底部と上部に一次燃焼用と二次燃焼用の穴をあける。
  ボトル首部および肩部は無加工。
  もし実用的なストーブを作るのなら、吸気量の関係や燃えカスの排出などの
  ために、底部側面だけでなく、底面の穴は必須らしい。
2:外缶の開口
  缶をひっくり返した形で使うので、底に、内缶の口径分の穴をあける。
  ここが今回の実験のキモ、穴が大きくなりすぎないように注意。
3:外缶飲み口部の除去
  なるべく、飲み口部に近い部分で切断。
  横向きにぐるっと一周するタイプの缶切りがあればベスト。
  ときどき、果物の缶をあける写真を使ってセールスしているやつね。
  なお、缶底の穴あけの前にこれをやると、缶の強度が低下して底穴あけが
  難しくなる。
4:外缶に外気導入口を開口
  飲み口を除去した近くに適当に穴あけ。小さすぎないように。
5:外缶に内缶を挿入
  ボトル缶のキャップ部のねじをそのまま生かし、外缶開口部(除去した
  飲み口の部分)の方から、ぐりぐりとねじ込む。

ということで、完成。
次回、燃焼実験。
 

タイトル余談:燃焼の本入手せず
記事No2531
投稿日: 2015/11/28(Sat) 17:59
投稿者としき@家主
参照先http://homepage3.nifty.com/~toshiki/
レス元2530
今年は、うちの町の図書館開設50周年ということで、図書館まつりというもの
を実施しています。今日はリサイクル図書の大頒布市開催。
リサイクル図書については、#2206参照。
会場は、自宅からだと結構遠い。
直線距離で3kmくらいはあるのではないかな。
おそらく、文太さんの家からだと徒歩15分くらいだと思う。
有料駐車場はあるけど、どんな本が入手できるかわからず、手ぶらで帰るような
事になると駐車料金だけ丸損だ、と思い、徒歩で出かける。ケチだねぇ。
マップファンで、どのくらいの距離になるかとルート検索させたところ、なんか
わざわざ幹線道路を使って遠回りするようなルートを提示してきて、5km近いこと
をおっしゃる。車ならそれでもいいけど、徒歩を指定しているのだから、もっと
細い道を使ってくれよ。
ということで、自分の知っている、最短距離に近いポイントをいくつか経由地に
指定して再検索。結果は3.7km。
ただ、結局、ちょっとだけ提示ルートを外れて、遠回りをしました。
お天気も良かったので、散歩がてら、というやつです。
行きと帰りで違うルートを通ったのですが、どちらもおそらく4kmくらいのはず。
往路復路共に、片道約50分。

朝10時から始まっていたのですが、私が行ったのはお昼過ぎ。
会場の担当者が他のお客様に言っていたのによると、絵本などは早いうちにほと
んどさばけてしまったのだとか。それでも、私が子供のころに出版されたような
児童文学の本は結構残っていました。
雑誌では、モード系って言うのかな、ファッションとかの雑誌は結構人気が高い
ような感じ。
理系の本は、めぼしいものは既にさばけてしまったのか、どうもイマイチ。
雑誌だと、週刊アスキーとCQ ham radio誌くらい。
月刊自家用車とかオーディオ関係の本もあったな。
そんな中、現在、自分の中でホットな話題である燃焼に関する本を探してみたの
ですが、2冊ぐらいしかありませんでした。うち、1冊は、大学の教科書レベル
の本。もう1冊は、これはなんだろう、なんかのリーフレットなのかな。一応、
薄い本という体裁ではあるのですが、ページ数は100ページ程度。中を読むと、
漢字にはルビを振ってあるけど、結構専門的なことも書いてある。また、筆者に
よってはコラムにするような逸話が本文として書かれているということもあり、
ぱっと見、対象としている読者層が不明。
ということで、今回はこの系統の本は入手しませんでした。

結局、もらってきた本は、文庫本が4冊。
うち2冊は、エラリー・クイーンの編んだ短編アンソロジーが上下2巻。
これ、昔、図書館で借りて読んだことがあります。
それと、火浦功のSF小説の2巻目のみ。
1巻目も2巻目も立ち読みで読んでいる本だったので、1巻目もあればよかった
のだけど、残念ながら発見できず。
ただ、これは現在でも未完のシリーズだったような。
以前、火浦功は外伝作家だ、とかいう言説をどこかで目にしたような気がするけ
ど、一体なにを書いていたのやら。そのとき、あわせて目にしたのは、なんとか
いう作家はあとがき作家だ、とかいうものでしたが、誰だったかな。新井素子か
栗本薫か中島梓(ぉぃ)あたりだったと思うけど、もう忘れてしまった。
もう1冊は、なんかこれ、妖しい。
えとですねぇ、図書館の本だった印とかが全くないんですよ。
あたかも、誰かが私物をリサイクル図書の中に勝手に混ぜてしまったような。
ま、でも、知らん顔をしてもらってきてしまいました。

ということで、ちびちび読んでいきましょうか。
 

タイトルRe^4: ウッドガスストーブ
記事No2532
投稿日: 2015/11/30(Mon) 22:31
投稿者としき@家主
参照先http://homepage3.nifty.com/~toshiki/
レス元2530
> 次回、燃焼実験。

ということで、燃焼実験。
今回、燃料は前回の焚き火に比べればかなり少なめ。
竹製の割り箸一膳、それと、前回も使った、よしずの残骸の細い竹が2本。
いずれも20センチあまりの長さのものをポキポキと3等分くらいに折って燃料
充填完了。前回の焚き火時に比べれば、かなりスカスカ。もしこれで燃料が少な
ければ、次は満タンで試そう、というくらいの意識でした。
そして、着火!
む〜、二次燃焼がうまくいっていないみたい。白煙が多い。これは可燃性ガスが
そのまま出ているのかな、と思い、ボトル缶の口にライターの火を近づけると、
うわわっ!
思わず、ファイヤー! と叫んでしまいそうな勢いで引火しました。
缶内部で二次燃焼させるのがウッドガスストーブであると定義するのであれば、
それがうまく行かなかった今回のものは、ウッドガス発生器とでも命名するのが
いいかもしれません。
ただ、ほんのわずかの燃料でこれだけ良く燃えるというのは、ものすごい効率。
予備実験に比べて半分以下の燃料で、感覚的にはほぼ同じ熱量を発しています。

さて、内缶と外缶の接合部をよく観察してみると、ここからも炎が上がっている
のがわかりました。ふむ、やっぱり私の技術力というか器用さでは、この部分に
きちんとした気密性は確保できないようです。また、ここから炎が上がっている
ということは木質ガスが二次燃焼用の穴から逆流しているということも意味して
います。なぜ逆流するかというと、圧力が足りないから。圧力が足りないという
ことは、外缶と内缶がきちんと密着していないから。つまり、自作されてうまく
二次燃焼まで持っていけている皆さんは、逆にいうと、きちんと密着させること
に成功されているわけです。
ふむ、そうか、これだけ作例が多いということは、半田付けやロウ付け不要で、
結構な機密性が確保できているはずなんだな、と、自分で実験してはじめて理解
できました。
やはり、「やってみなくちゃわからない」といったところですね。

さて、しばらくしてガスの発生が収まり、炎は鎮火。
でも、缶の中ではまだまだ炭火が燃焼中。これが結構火力がある。
缶の上に手をかざすと、十分熱い。外缶も、まだ素手では触れないほど。
ただ、さすがアルミ缶、熱伝導性が高いので、炭火も消えたらすぐに冷えました。

燃焼実験終了後も、外缶については、わずかに変色した程度でほぼ変化なし。
前回の、焚き火を行ったボトル缶に比べても、さらに変化は少ない。
ところが、内缶。これはびっくり。熱でぼこぼこに劣化し、穴まであいている。
穴があいたのは本体中央部。高さから考えて、炭火であぶられた部分でしょう。
炭火の熱量ってすごいんだなぁ。
もし今後、仮に実用可能なウッドガスストーブを作るのであれば、絶対に鉄製の
素材で作ることにします。
そんなことはしない可能性のほうが圧倒的に高いですが。
 

タイトルRe^5: ウッドガスストーブ
記事No2539
投稿日: 2015/12/13(Sun) 12:58
投稿者としき@家主
参照先http://homepage3.nifty.com/~toshiki/
レス元2532
その後。
グーグル検索のずっと下のほうまで見ていったら、耐火セメントとか耐熱パテで
隙間を埋めている、というのが引っかかってきました。やっぱりそういうことを
している人もいるようですが、順位が低いし、どうも少数派っぽい。
そういう人の文章を丹念に読んでみたら、内缶上部にある二次燃焼用の穴が十分
に大きければ、多少の隙間があっても大丈夫だったというような事を試した人が
いる模様。なるほど、そういう仕組みなのね。
ということは、私のアルミ缶での燃焼実験のときは、二次燃焼のための穴が小さ
かったということなのか。もう永遠に次の機会はないと思うけど、万が一、追試
をするぐらい気が迷ってしまったら、前回よりはずっと立派な二次燃焼用の穴を
あけてあげることにしましょう。
 

タイトルRe^6: ウッドガスストーブ
記事No2541
投稿日: 2015/12/19(Sat) 11:38
投稿者としき@家主
参照先http://homepage3.nifty.com/~toshiki/
レス元2539
> その後。
> グーグル検索のずっと下のほうまで見ていったら、

それほど下のほうでもないのですが、ペール缶などを使って大きなものを作って
おられる方々もたくさんいらっしゃるようです。
そこでまた疑問が湧いてきました。
この場合、二次燃焼用の空気って、内缶中央部まできちんと届いているのかなぁ、
ということ。
何せ、ペール缶といったら、直径は30センチくらいあるはず。
二次燃焼用の穴から噴出す空気の流速が十分にあれば問題ないはずですが、本当
にそれだけの流速が確保できているのか、直感的な疑問を感じたわけです。
もし、二次燃焼用の空気がそこまで届いていなかった場合、燃焼の仕方としては、
一次燃焼をくぐり抜けて上昇してきた空気で燃えるか、あるいは木ガスのほうが
炉外に出て、そこの加熱されていない空気で燃えるか。いずれにしても、酸素か
温度のどちらかが不十分になります。つまり、燃焼効率の低下は避けられません。
燃焼効率が落ちると何が起こるかというと、煙が多くなるとか、ススが出るとか。
実際、ススとの戦いに取り組んでおられる方も何人かいらっしゃるようです。
ということで、考えられる答えとしては、ペール缶でもきちんと二次燃焼できて
います、ということの他に、ろくに二次燃焼できていなくて不便、というものと、
二次燃焼は不十分だが作者(使用者)は満足、というパターンかな。

この辺、実際に試して見たいのだけど、足りないものが多すぎて。
まず、ペール缶のような大きな缶を入手する当てがない。
仮に入手できても、私には加工技術がない。
仮に組み上げられたところで、缶中央部できちんと二次燃焼できているか、測定
する方法がわからない。
ということで、自分ではできないことなので、誰か答えを教えてください。

二次燃焼穴から吹き出る空気の流速って、理論値は計算できるかな。
主要なパラメータとしては、穴の面積と空気の総量。
あと、穴の数も重要。同じ面積でも、少数の大きな穴よりも、多数の小さな穴の
ほうが抵抗が大きいはず。
それと、温度もパラメータかな。温度差が大きいほうが上昇気流が大きいと思う。
内缶と外缶の隙間の大きさもパラメータになりそう。
こうして考えてみると、数式で求めるってのは、なんとなく無理そう。
地球シミュレータのようなものに放り込んで、全部まるっとシミュレーションを
するしかないような気がしてきた。そんな大型コンピュータでなくてもいいけど、
有限要素法なりで計算するのが現実的なんだろうなぁ。
 

タイトルRe^7: ウッドガスストーブ
記事No2543
投稿日: 2015/12/26(Sat) 23:06
投稿者としき@家主
参照先http://homepage3.nifty.com/~toshiki/
レス元2541
私は、理屈をこねるだけの評論家よりも手を動かす技術者のほうが尊い、という
思想というか偏見の持ち主なんですが、今回、あえて理屈で攻めてみます。

燃焼には、燃料と酸素と温度が必要です。
つまり、二次燃焼用の空気は温度が高ければ高いほど良い、はずです。
二次燃焼用の空気を加熱するものといえば、内筒に他なりません。
内筒の温度をどのように効率的に周囲の空気に与えるか。
言い換えれば、どのように内筒の温度を奪うか。
私が真っ先に思いついたのは、内筒の外周に放熱フィンを取り付けること。
この場合、空気の流れを考えて、軸に垂直というか、同心円状の放熱フィンより
も、軸に平行のタイプのフィンのほうが良い。
って、私が考え付くぐらいだから、当然誰かが考え付いていると思ったのですが、
調べた範囲では、市販の既製品も含め、先行作例はない模様。海外のサイトも、
検索した範囲では引っかかってこない。
ほら、そこのあなた、少なくとも日本初、もしかしたら世界初がここに転がって
いますよ。

もちろん、あんまり効果がないという可能性もあります。
自作の場合、手間に対して見合わないとか、既製品でも、コストの割には効果が、
という話もあるかもしれません。でも、少なくとも、やってみたけどダメだった、
という話もないようなので、もしかしたら誰もやってみた事のないことかもしれ
ません。
 

タイトルRe^8: ウッドガスストーブ
記事No2563
投稿日: 2016/03/02(Wed) 22:16
投稿者としき@家主
参照先http://homepage3.nifty.com/~toshiki/
レス元2543
> 私は、理屈をこねるだけの評論家よりも手を動かす技術者のほうが尊い、という
> 思想というか偏見の持ち主なんですが、今回、あえて理屈で攻めてみます。

ここからは、理屈というよりも完全な妄想。
妄想が行き過ぎると、行動に移してしまいかねない危うさはありますがね。
もちろん、思考だけよりも行動のほうが尊いという気持ちはあります。
ただ、過去の多くの思想家や宗教家がいらん行動を起こしてくれたばっかりに、
と思うことも多々あって。
と、それはさておき。

燃焼というのは、概ね、純粋に化学的な反応です。可燃物の酸化反応ね。
ところで、小学校の理科のレベルですが、物が燃えるためには、可燃物(燃料)
と空気と、発火点を超える温度の3つが必要です。
そして、このように要素に分けると、それぞれは物理学や工学の問題になります。
空気の流れなら流体力学だし、温度なら熱力学だし。

まず、温度のほうから行きましょうか。
ウッドガスストーブの自作した例を見ると、ほとんどの場合、金属というか缶で
作られています。これは、工作が容易ということの他に、既製品も金属だから、
というのもあると思います。既製品のあまりのシンプルさから、買わずに自分で
作ってしまった、という人もいるみたいで。
でも、金属だと、燃焼室で発生した熱が外部に漏れるんですよね。
暖房に使うというのなら、ストーブ本体からの輻射熱の方が直火よりも好ましい
と思いますが、燃焼という観点からは、一次燃焼で発生した熱が全て二次燃焼用
の空気に与えられればベスト。つまり、輻射熱がないほうが良いと。
実際、WEBを見ても、ストーブ本体をグラスウールだかの断熱材で覆ってしまった
という作例もあります。ただ、この方の目的は、燃焼中の可搬性だったみたい。
でも、理屈で考えれば、絶対に燃焼効率はアップするはず。

そこで、どのように断熱をするのが良いか、というと、その辺はさっぱり。
ま、単純に考えると、方法は2つ。
一つは、上記にもありますが、外缶の外部を断熱材で覆う方法。
もうひとつは、外筒自体を断熱性の高い材質で作る方法。
ただ、どんな材質が良いか、というのが不明。
私、材料工学とかわかりませんし。
熱の伝道度が低いほうが良い、というくらいの事は分かりますけどね。
あと、熱容量も関係してくるのかな、断熱物質と蓄熱物質は違う、というくらい
の知識はありますが。蓄熱物質って、外部に熱を伝えないので、一見、断熱物質
のように見えます。ですが、自分自身が熱を蓄えきるまでは、内部ではむしろ、
吸熱効果で温度が下がるはず。熱を蓄えたあとは、熱を内部に放出してくれるの
ですが、燃焼初期に熱が奪われるのはちょっとうれしくない。

ん〜、陶磁器ってどうなんだろう。
素焼きだと気密性がなさそうだけど、きちんと釉薬をかけてあれば気密性はある
と思うんだけどなぁ。