私には、つくばの科学万博の巨大なトマトのインパクトが大きかったのですがね。
最近は、いわゆる植物工場とやらで、ごく普通に水耕栽培は行われています。
今ではこの植物工場の超小型版が家庭用として、2〜3万円で町の電気屋で売ら
れていたりします。
植物工場の場合は光線とかの問題もありますが、ここでは水耕栽培一般の話。
まず、植物をどのように支えるか、という点。
水中では、一般の作物は自立してくれませんからね。
培地、といってもいいのかもしれません。
私が昔から知っていた方法は2つ。
一つは、ザルの上で作物を育て、根はザルの下に伸ばす方法。昔、私が小学生か
中学生のころ、この方法でカイワレ大根なんかを作る容器を親が買ってきました。
今では使っておりませんが、先日、実家の物置を探検したら、まだ残っていたの
を発見しました。あとは、これのバリエーションかもしれませんが、スポンジで
育てたものは普通に産業として成り立っていて、市場に出荷されてスーパーでも
よく見かけますよね。スプラウトとかカイワレ大根とか。
もうひとつは、いわゆる礫耕栽培。土ではなく礫で育てるというもので、これは
まぁわかりやすいですよね。
その他の方法として、最近では、なんか穴をあけた板にぽんぽんと植えつけると
いうようなものがあるらしいのですが、よく調べていません。どうやって支えて
いるんだろう。
そして、培地のほかにもうひとつ、水耕栽培に重要なものは培養液。
培養液の成分だのなんだのもありますが、ものすごく肝心なものを知らなかった
ことに最近気がつきました。
それは、水位。
上記の礫耕栽培で考えていただければわかりやすいと思うのですが、私は今まで、
水田の稲のように、ジャブジャブの水の中で育てると思っていたのですよ。
でも、稲とかハスのような作物のほうが例外。
多くの作物では、根も呼吸するので、空気にさらさないとならないらしい。
つまり、完全水中栽培だと、根腐れになってしまうのですね。
そこでどうするか。
世の中には水耕栽培装置を自作されている方もいらっしゃるようで、そういう方
のサイトを見ると、簡単な方法としては、金魚鉢に入れるようなエアーポンプで
空気を送り込んでいたりします。もっと本格的というか大規模になると、培養液
のタンクとポンプとタイマーを使用して、一定の時間ごとに水位を自動調節する
ような仕組みを構築されていたりする。ポンプを2つ使用して両方向に培養液を
流したり、片方向はサイホンの原理を使って、タイマーも使わずに一方向のみの
ポンプで済ませたりとか。
あと、もっと力業というか、水位は一定にして、モーターと滑車を使い、最初の
ほうに書いたザルの培地を上下させる、なんて方法を提案されている方もいらっ
しゃいましたが、実装された方はいるのかなぁ。
ここまでは、数ヶ月前までに知っていたことでした。
そして、ほんの数日前。
テレビのチャンネルを次々と変えていたときに、たまたま通販番組をやっている
ところに出会ったのですが、そこで驚きの新技術を目にしました。
通常の水耕栽培の容器って、当たり前ですが、液体を入れる必要がありますから
水平に設置します。ところが、その装置は、なんと、縦型なんですよ。え〜と、
仮に自作するとしたら、そうですねぇ、ミネラルウォーターとかジュースとかの
2リットルのペットボトル、あれを縦につなげば作れるかなぁ。その側面に作物
を植えつけます。植え付けは、容器内側に根が生えるようにします。自作するの
であれば、容器内側に網目の細かいネットを袋状に取り付けると植えつけが簡単
そう。通販で売っていたものの植え付け方法がどうなっていたかはしっかり確認
していませんが、ザル状かスポンジ状か。その他の方法というのはちょっと見当
がつかない。
で、画期的だと思ったのが、水分の供給方法。
なんと、筒状の上部から、シャワー状に水を散布するという方法なんですね。
この方法なら確かに、根腐れを起こさないように、根を空気に触れさせたままで
十分に潅水することが可能です。
うわ〜、こんな方法があったとは。
発想法としては、まさに、横のものを縦にしただけ。
でも、それが驚くほど高い効果をもたらしています。
いやぁ、こういうアイディアって好きだなぁ。
世の中、まだまだ、ちょっとした目の付け所、というやつで、どんどん進歩して
いきそうです。
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