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▼ 太陽電池 - としき@家主 2005/10/14 22:19 No.509
タイトル太陽電池
記事No509
投稿日: 2005/10/14(Fri) 22:19
投稿者としき@家主
参照先http://www.hioncatv.ne.jp/~toshiki/
太陽電池にもいろいろな種類があります。
今、一番普及しているのは多結晶シリコンのものでしょうかね。
効率は単結晶シリコンの方が良さそうなのですが、ちょっと高くなるようで。
その他に、アモルファスシリコンの太陽電池もというのもあって、アモルファス
というのは非晶質と訳すらしいのですが、どんなものなんだろ。これ、製造コス
トは安いらしいのですが、その他のメリット・デメリットはよくわかりません。

さて、最近、シリコンを使わないタイプの太陽電池も量産されはじめたようです。
CIS型というそうで、銅(Cu)、インジウム(In)、セレン(Se)の化合物で
作るそうです。日経ビジネス誌2005年9月19日号に、これに関する紹介記
事が掲載されていました。
このタイプの特徴は、薄いこと。シリコン系の太陽電池の厚さが200〜300マイク
ロメートルなのに対して、CIS型はその100分の1の2〜3マイクロメートル。
当然、製品として軽くできるというメリットにはつながりますが、でもこれは大
したことはないかな。
もう一つ、シリコンて地球上には無尽蔵とは言わないまでも相当量の埋蔵量があ
って、地球上のシリコンのほんの数パーセントも使わずに地球の表面全てを太陽
電池パネルで埋めつくす事が可能なんですが、シリコンの精製工場が少ないらし
く、割と価格の変動が大きいのだそうです。例えば、携帯音楽端末の記憶媒体の
主流がHDDからメモリに移行する、なんて事があれば、生産された生シリコン
はみんなメモリに取られてしまい、結果として需要急増から価格高騰となります。
一方、CIS型の場合、原料としてはレアメタルを使っています。ところが、そ
もそもが原料の使用量が少ないので、かなり安く作ることが可能な上、価格変動
も大したことはありません。現在、やっと量産が始まったばかりだというのに、
既に量産されている多結晶シリコン型ほぼ同じくらいの製造原価で済むようなの
で、将来的にはもっと安く作ることも可能でしょう。

ただ、弱点もあって。
それは、光から電気に変える変換効率。単結晶シリコンが15〜16%、多結晶シリ
コンが13〜15%に対し、CIS型は12〜13%程度。実験室レベルでは20%近い効
率を記録したこともあるようなので、効率向上の余地はまだあるようですが、は
たしてどんなものやら。

ちなみに、効率だけでいうと、太陽光発電より太陽熱発電の方がいいという説も
あるようです。
例えば、普通の自動車のレシプロエンジンもディーゼルもロータリーエンジンも
飛行機のジェットエンジンも、エンジンの中で燃料を燃やすので内燃機関と呼ば
れます。一方、蒸気機関のように、エンジンの外で燃料を燃やして、エネルギー
(この場合は蒸気)だけをもらって機関を動かすものを外燃機関と呼びます。火
力発電所や原子力発電所のタービン発電機なんかもこれに該当するでしょうね。
この外燃機関の仲間に、スターリングエンジンというのがあります。レシプロエ
ンジンのようにピストンの上下運動を回転運動に変える種類の外燃機関なんです
が、使う熱源にかなり自由度が高いので、これを太陽熱で駆動してやると、相当
な高効率になるらしいです。具体的にどのくらい効率が良いかは知りませんが、
通常のガソリンエンジンで20〜40%ぐらいの効率はあるのですから、軽く40%を
越える、とかいう数字になるのではないかなぁ。
コジェネ(熱電併給)と言う、発電したときの廃熱で暖房や給湯を行うシステム
がありますが、それの総合効率が70%以上とかいうけど、そこまでいくのかなぁ。