ISDNは、End to End digital とでも言えばいいのかなぁ、こちらの端末から
相手の端末まで、全区間がデジタル化される世の中を思い描いていたようです。
そのため、いくつかデジタル電話機というものもリリースされましたが、需要が
伸びないことと高価格の悪循環で、あまり普及しませんでした。大抵はアナログ
電話機をターミナルアダプタに接続するような形でした。これは、過渡期の形態
と言うか、ISDNの理想形とは異なった形でした。
さて、時代はIP電話です。
IPv6だかなんだかで、消しゴムからレタスまで、世の中全てをネットワーク
に接続しようと企む過激派だかビッグブラザーだかもいるようですが、もしかし
たら電話も End to End IP になるのかと思い、もうかなり前ですが、NTT新宿
営業所に行って話を聞いてきました。ちなみに、NTT東京支店管内の営業窓口
は、もはやここしか残っていません。
NTTでも、ひかり電話という商標名でIP電話のネットワークサービスを提供
しています。これに使える端末機としてどんなものを出しているのか聞いてみた
ら、なんと、ターミナルアダプタとは言わないのかな、IP電話用の変換装置が
3種類くらいあるだけ、あとはそれに既存のアナログ電話機、またはISDN用
のデジタル電話機かターミナルアダプタを接続してください、とのこと。IP網
に直接繋がる電話機としては、無線LANに繋げて使うコードレスホンを1機種
用意してあるだけ、なんだそうな。
これには驚きました。
確かに、IP電話にする場合は電話機を買い替えないといけない、となると普及
の障害になるので変換装置を用意するのは当然と思いますが、それ以外にも家庭
用の電話機も用意しているのだろうなという先入観があったからです。
アナログやISDNの電話機の場合、枯れた技術という事もあって使い勝手やら
故障率やらの面で有利というのもわかるのですが、なんかやる気がなさ過ぎるん
じゃないの、という気がしないでもありません。これはもしかして、ISDNの
端末機が普及しなさ過ぎた失敗に懲りたという事なのかもしれません。
もっとも、窓口に行ったのはもう数週間前のことなので、その後、新機種が出て
いるかも知れませんが。
それ以後、新聞や雑誌でIP電話導入の記事があった場合の写真や、テレビでそ
ういうニュースが放映された場合の映像をちょっと気をつけてみているのですが、
それらに出てくるのってシスコ製の多機能なIP電話機であることが多いのです
ね。ありていにいって、これはビジネス用。ご家庭に入れるにはデザインも無骨
だし、見ただけでは使い方の見当もつかないようなボタンもいっぱい。
あと、サンヨー製も実物を見たことがありますが、これもかなりな多機能電話。
その他のメーカーでは、NECがとってもシンプルなタイプを出しています。
これは家庭用の単機能電話としてなら十分。でも、私の見たことのある機種って
留守電もなにもついていないタイプだけなんだけど、留守電つきとかコードレス
とかってラインナップにあるのかなぁ。
あとは、ナカヨ通信機とかユニデンといったメーカーの名前は聞いたことがあり
ますが、残念ながら実物はお目にかかったことがありません。
う〜ん、そうかぁ、まだまだ選択の幅が狭いのね。
ま、我が家の場合は、当面は導入するつもりもないけどね。
でも、変換装置経由で黒電話をIP電話に繋げればウケは取れそうだけど。
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