> ゆえに、最近流行の始まったコロナウィルス感染症はカゼである、と。
都知事選の立候補者にもいましたね。「コロナはカゼ」といっている人が。
そのフレーズそのものには大いに同意するところではあるのですがね。
でも、その人たち、「カゼだから大した事はない」という主張の模様。
私は違います。
「カゼだからこそ気をつけるべき」というのが私の主張。
それはさておき。
コロナの流行が始まって半年あまり。
いくつかの面白い調査結果を目にしました。
まずは、ピュー・リサーチ・センターの意識調査の結果。
調査対象は北米と欧州、アジアの14カ国。
調査期間が6月10日から8月3日というのがちょっと気にかかる。
まず、政府の対応について。
ランキング最下位の英国と下から2番目の米国では、「良い」とする回答は半分
に届かず。とはいえ、45%以上だけど。
下から4番目だった日本でも55%だったそうなんで、調査期間の英米両国は、
政府が相当ダメだったと国民から思われている、ということなんでしょう。
トップはデンマークの95%。
興味深いのが、コロナのせいで自分の生活が変わったか、という項目。
ロックダウンはおろか、ほとんど制限のなかったスウェーデンで、生活が大きく
変わったという回答が71%。かなり大きく制限した韓国の81%に次いで2位、
というのが不思議。
そのスウェーデン。
上半期の死者数は150年ぶりの多さだったそうな。
ちなみに、150年前には何があったかというと、大飢饉。
ただ、人口増加を考えると、死亡率では150年前より低いとは思いますけどね。
とはいえ、人口10万人当たりだと、コロナの死者は60人弱。
単純計算で、日本の約70倍くらいのはず。
さすがに、あの政策をそのまま日本に導入するのは無理でしょう。
気になるのは、スウェーデンでの死者の内訳。
4月末までの、いわゆる第一波の時点では、死者の90%以上が70歳以上。
そして、スウェーデンの70歳以上で要介護者は2割弱にもかかわらず、70歳
以上の死者の8割が要介護者だったらしい。すなわち、介護施設でのクラスター
によるダメージがいかに大きかったか、ということ。
ところが、ここに一つ、妖しいデータもあって。
もともとスウェーデンでは、日本なんかとは違い、心身の状態のよくない人しか
介護施設に入れないらしい。なので、当然、コロナでは死亡率の高くなる傾向の
ある基礎疾患のある人が多かった。そしてコロナ以前から、介護施設では死亡率
が高い。認知症の人は身体的には問題ないかもしれませんが、そういう人も含め、
介護施設での入居期間の中央値は2年程、入居18ヶ月での死亡率は40%程度。
これらの数値から、いたたまれない算術、というヤツを駆使すると出てくる結論
は、死が若干前倒しになっただけ、というもの。もし仮にこの結論が正しければ、
向こう2年後ぐらいまでの期間では逆に死者数の減少が見られるかも。
とはいえ、このような、いわば姥捨て山的な戦略が他の多くの国で採用できるか
というと、かなり妖しくはありますけどね。
実際、高齢者の死亡増加を「問題ない」という意見があるとして、WHOの事務
局長は記者会見で「それは道徳的破綻だ」と非難した、というニュースが流れて
います。そうだよねぇ。
ま、これからも、いろいろなニュースや数字が出てくることでしょう。
仮にそれぞれに嘘はなくても、裏を見るとまた違った世界が見えてくるかも。
とりあえず、常識的な予防措置を講じていくことにしましょう。
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